最低賃金 上級

近年、毎年上昇している最低賃金。2024年は、実に中小企業の4割以上が、最低賃金の上昇に伴い、賃金の引き上げを実施したと言われています。人事・総務担当者にとっては毎年身近な『最低賃金』の改定ですが、ここもチェック!見落としがちポイントを解説します。

1.『特定(産業別)最低賃金』てなに?

▶「最低賃金って、都道府県別に決まってますよね?」

最低賃金と聞くと、そう多くの方が答えるのではないでしょうか。ただ、正確にいうと、それは 「地域別最低賃金」 のこと。それとは別に「特定(産業別)最低賃金」が存在します。

▶「特定(産業別)最低賃金」とは?

こちらは、地域内の特定業種に対して、地域別最低賃金より高い最低賃金が設定されているもの。たとえば、ある県の地域別最低賃金が1,100円だったとしても、電子部品製造業や自動車製造業では 1,120円の特定(産業別)最低賃金 が適用されている、といったケースがあります。

つまり同じ県内でも、業種によっては、より高い基準が存在するということ。「うちはちゃんと地域の最低賃金守っているし、大丈夫!」と思っていたら、実は特定(産業別)最低賃金の対象で…ということもありえます。

地域別最低賃金と特定最低賃金が両方適用される場合は、どうしたらいい?

高い方が適用されます!

違反してしまった場合は、30万円以下の罰金や是正勧告などのリスクも!
特定(産業別)最低賃金も各都道府県によって異なります。
ぜひ一度、確認してみてください!

2.月給制スタッフの給与はどう考える?

▶ 月給制の場合の最低賃金の考え方

時給制のスタッフに最低賃金があるのは当たり前。でも、月給制の社員については「特に気にしたことないなぁ…」という方も多いかもしれません。ところが、月給制でも最低賃金は厳密に適用されます。

たとえば、月給220,000円のスタッフが月に22日出勤して、1日8時間勤務していたとします。
この場合、月の労働時間は176時間。
月給をこれで割ると…
→ 時給換算:約1,250円になります。

ここで特に注意したいのが、何を「月給」に含めて計算していいか?
実は、最低賃金の計算に含めてよいのは、「基本給」や「職務手当」「役職手当」など、毎月固定で支払われる金額のみ。
したがって、以下のようなものは含めることができません。

「月給」に含めてはいけない手当は?

通勤手当・残業代や深夜休日手当・賞与(ボーナス)・臨時に支払われる賃金

こうした手当込みで月給が22万円だったとしても、基本給だけで時給換算したら最低賃金を下回っていた…というケースもありえます!

3.最低賃金の推移と政府方針は?

▶今年の最低賃金の引き上げ額は平均63円

厚生労働省の中央最低賃金審議会は、2025年度の最低賃金引き上げ額の目安を全国加重平均で63円としました。近年大幅な引き上げが行われていた最低賃金ですが、さらに今年は過去最大の引き上げ幅となりました。この目安を参考に、各都道府県の地方審議会が議論を行い、地域ごとの最低賃金額が最終的に決定されます。この目安通りに引き上げが実施されれば、全国平均は1,118円となり、すべての都道府県で最低賃金が1,000円を超えることになります。

▶『最低賃金を2020年代に全国平均1,500円』という政府方針

政府は「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」において、最低賃金を2020年代に全国平均1,500円とすることを目標に掲げており、その達成に向けて集中的な取り組みを進めています。こちらは賃金上昇 → 消費拡大 → 経済成長 という「好循環」を狙った施策であり、今後も毎年大幅な引き上げが続く前提で給与設計を考える必要があるということです。

4.最低賃金の“その先”は。人材戦略の視点で考える

近年、最低賃金の上昇により、人件費の負担は確実に大きくなっています。ただ、最低賃金は「必ず守らなければならない最低ライン」、言い換えれば“当たり前の金額”。引き上げたからといって、それだけで人材の確保や定着につながるわけではありません。

だからこそ、さらに少し視点を広げて──社員・アルバイトなどの処遇や、派遣活用とのバランス。そういった人材戦略をトータルで考えてみるタイミングに来ているのかもしれません。

最低賃金のキホンを知りたい方向けに、詳しい解説ページをご用意しております!

最低賃金 基本

💡おわりに

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