1.過去最高を更新中!当たり前になった「障害者雇用」

近年、企業の成長戦略として「多様な人材の活躍」が重視されるようになり、障害者雇用に対する社会の意識も大きく前進しています。
厚生労働省の発表によると、民間企業で働く障害のある方の数は過去最高を更新し続けています。現在の雇用ペースと法改正の背景から、2026年には70万人を大きく超えると推計されています。「障害者雇用」は、一部の企業だけの話ではなく、今や多くの企業が当たり前に取り組むスタンダードになりつつあります。

※出典:厚生労働省「障害者雇用状況の集計結果」

このように社会全体で取り組みが前進している一方で、次々と変わる「ルールの変化」に戸惑うご担当者様も少なくありません。
そして今年の7月には企業の「障害者法定雇用率」が2.7%へと引き上げられました。
雇用率の引き上げはもちろん、対象となる企業の範囲も広がったことで、「うちの会社は新ルールの下でも万全な状態と言えるだろうか?」と、改めて自社の状況を見直すタイミングが来ています。

この記事では、障害者雇用のキホンや「除外率」といった専門用語のおさらいから、今回の引き上げに伴う注意点、そして自社の職場をより良くアップデートするためのポイントまで分かりやすく解説します。

2.そもそも「障害者雇用」「法定雇用率」そして「除外率」ってなに?

まずは、実務の前提となる基本的な用語についてまとめてみました。

障害者雇用

障害のある方がその適性や能力を十分に発揮できるよう、職場環境の整備や必要な配慮を行い、ともに働く取り組みのことです。単なる社会的責任(CSR)にとどまらず、企業の多様性を推進し、新たな価値を生み出す戦略的な雇用として重要視されています。

法定雇用率

従業員数に応じて、民間企業が雇用しなければならない障害者の割合を国が定めた法的な義務基準です。
2026年7月からは2.7%へと引き上げられ、未達成の場合には、不足する人数に応じて納付金が徴収される可能性もあります。

知っておきたい特例ルール「除外率」とは?

障害者雇用について調べると、「除外率」という言葉を目にすることがあるかもしれません。
これは、「業務の性質上、障害のある方を雇用するのがどうしても難しい」とされる一部の業種において、雇用義務の対象となる従業員数を一部減らして計算できる特例ルールのことです。
以下が、現在(2025年4月改定以降)特例ルールが適用されている主な業種と、最新の「除外率」です。

建設業   

10%

鉄鋼業   

10%

非鉄金属製造業

5%

林業   

25%

金属鉱業 

30%

石炭・亜炭鉱業

40%

道路貨物運送業

10%

貨物運送取扱業

5%

港湾運送業

15%

鉄道業  

20%

道路旅客運送業

45%

海運業  

70%

郵便業  

10%

医療業  

20%

介護施設 

20%

児童福祉施設

30%

大学・専門学校

20%

特別支援学校

35%

小学校  

45%

幼稚園   

50%

警備業  

15%

⚠️ しかし、特例のハードルも上がっています
「特例対象だから、うちの会社は大丈夫」と思われた企業様も、注意が必要です。

上記の表はすでに「以前より一律で割合が引き下げられた後」の厳しい数値であり、将来的にはこの制度自体が完全廃止されることも決まっています。

現在は、以下の2つの変更が重なり、企業にとって予想以上に採用必要人数が増加しやすいタイミングとなっています。
✅ 除外率の引き下げ(雇用義務の計算ベースとなる人数の増加)
✅ 法定雇用率2.7%への引き上げ

特例の対象企業様こそ、この「ダブルの引き上げ」を踏まえ、改めて現在の最新ルールで自社の状況を再確認しておくことが重要です。

3.7月から2.7%へ引き上げ!うちの会社は何人雇うべき?

法定雇用率の「2.7%」への引き上げに伴い、対象となる企業の規模も「従業員40人以上」から「37.5人以上」へと拡大しています。
「うちは人数が少ないから関係ない」と思っていた企業も、知らず知らずのうちに対象になっている可能性があるんです。

※従業員数=週30時間以上働く方を「1人」、週20〜30時間未満の方を「0.5人」として計算した人数の合計です。

基準に満たないと、常用労働者が100人を超える企業の場合は、不足人数に応じて「障害者雇用納付金」というお金を国に納める必要があります。
さらに、企業規模に関わらず、改善が見られない場合はハローワークからの指導が入り、最悪の場合は企業名が公表されてしまうことも…💦
企業のイメージダウンを防ぐためにも、早めの確認が求められています。

💡 ちなみに… 私たちグロップグループ(6社)においても、適切な体制整備により障害者雇用率2.88%(2026年6月現在)を達成しています。

4.どうやってカウントするの?採用と計算のポイント

すでに雇用に取り組んでいる企業様も、カウント方法を改めて整理しておきましょう。
実は、労働時間や障害の程度によって「1人」「0.5人」「2人」として計算するルールがあります。

※1 精神障害者の短時間労働(週20〜30時間未満)を「1人」と算定するには、「雇入れから3年以内」または「精神障害者保健福祉手帳の取得から3年以内」などの条件を満たす必要があります(条件を満たさない場合は0.5人となります)。
※2 表内の「対象外」とは、雇用率のカウント対象には含まれないという意味です。該当する方の雇用を制限するものではありません。

このように「フルタイムは難しくても短時間なら」という多様な働き方をサポートできる仕組みがあります。また、これまでカウント外だった週10〜20時間未満の「超短時間」の方も、一部「0.5人」として算定できるようになりました。
制度を正しく理解し、自社の業務に合った働き方を組み立てることがポイントです。

5.みんなが笑顔で働ける!活躍の場をつくるコツ

雇用数をクリアして終わり、ではありません。大切なのは、障害のある方が「働きやすい!」と感じて、長く活躍できる環境を整えることです。そのためには「何ができて、どんな配慮が必要か」をしっかり話し合うことが欠かせません。

例えば、「電話対応は苦手だけど、データ入力ならモクモクとこなせる」「長時間の立ち仕事は難しいけれど、座っての作業なら集中できる」といったように、特性に合わせて業務を切り出してみましょう。

法定雇用率の引き上げは、一見「対応が大変だ…」と感じるかもしれません。しかし、障害者雇用は単なる「義務」ではなく、会社を成長させる「チャンス」でもあります。

障害のある方にお願いする業務を整理することで社内全体のムダがなくなったり、多様な人材が協力し合うことで職場に新しい風が吹いたりといったメリットがたくさんあります。

制度改定の今こそ、職場をアップデートする絶好のタイミングです。まずは自社の状況をチェックして、できることから少しずつ取り組んでみませんか?

💡おわりに

グロップジョイでは、人材派遣・アウトソーシングから外国人材の活用まで、企業の「人」と「現場」にまつわる課題解決を幅広くサポートしています。
「まずは資料だけ」「概算を知りたい」という方も、お気軽にご連絡ください。

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