『利益が残らない』の正体は、静かに膨らむ社保料だった?
2026年4月、ついに「子ども・子育て支援金」の徴収が開始されました。雇用保険料率や健康保険料率は一部「ダウン」したものもありますが、トータルでは「プラマイ微増」。負担が軽くなることはありません。
でも、給与明細を見るたびにため息が出るのは、社員だけではありません。
社会保険料は「労使折半」。
つまり、社員の負担が増えるとき、会社が支払うコストも全く同じだけ膨らんでいるのです。

「毎年、何かしらジワジワと増えていくなぁ」と、人件費を見ながら、少し複雑な気持ちになられている管理者様も多いのではないでしょうか。
「社保料」という名の、削りたくても削れない固定費。
今、私たちが向き合わなければならないポイントは、大きく分けて2つあります。
ポイント1.知らないと怖い、「ベースアップ」の落とし穴?
今回の支援金もそうですが、ここ数年、社会保険料の負担は毎年増額されています。
また、社会保険料は従業員の収入に応じて決まるもの。給与が上がれば社会保険料もUPします。
コロナ禍以降の物価上昇に伴って、企業は社員給与をベースアップしてきました。最低賃金も毎年上昇しており、それに伴いパートさんの時給も上がっています。その結果、会社が負担している社会保険料も上がっています。
(意外と盲点なのが鉄道運賃の値上げです。地域によっては定期代が10%以上アップしたところもあり、通勤手当も少しずつ上がってきています。通勤手当も社会保険料の算出根拠に含まれるため、実は法定福利費を押し上げる一因になっています💦)
社員の賃上げ・パート時給の上昇の流れは、今後も続いていくものと考えられます。
もはや、「社会保険料は、上がり続ける固定費である」という前提で経営を考えなければならない時期に来ています。
【知っててほしい豆知識】4月になると「早く帰ってね」が増える、意外な理由
この時期、なぜか急に残業に厳しくなる会社、心当たりはありませんか?
実は、社会保険料は春の給与を元に毎年改定が行われます。
・社保料の定時決定: 4~6月の給与平均で、その年1年間の保険料が決まる!
→9月の給与から、変更されます
・残業のワナ: この時期にたまたま残業が重なり「1ランク」上がってしまうと、各個人の社会保険料も会社負担分も1年間ずっと高いまま!
この時期に少しだけ残業をセーブすることは、最も確実な「法定福利費の削減」なのです。(もちろん業務上そんなことは言ってられない会社も多いかと思いますが・・・)
「4月は早く帰ろう!」という上司の言葉の裏には、「残業代を抑えて、法定福利費を増やしたくない!」という、会社の本音(?)が隠れているのかもしれませんね。

ポイント2.パートさんの「働き方の常識」が変わる! 130万円の壁はもう古い?
130万円の壁のルールが2026年4月に変わり、話題になっています。
契約書を重視するようになり、もし残業で130万円を超えたとしても、扶養内のまま働くことができるようになりました。
ただこの130万の壁、現在関係するのは従業員51人以下の会社です。そしてこの「企業規模の要件」は段階的に消えていくことが決まっています。数年後には、小さな企業でも、「週20時間以上」働けば社会保険加入という時代がやってきます。

「じゃあ、みんな週19時間までに抑えてもらおうか」 そう考えるのも一つの手ですが、そうなると今度は、別の悩みが出てきたりします。
- 「10人のシフトを組むのに、人事担当の時間が削られる」(管理のコスト)
- 「仕事に慣れた頃に、もっと稼げる会社へ転職してしまった」(教育のロス)
- 「忙しい時に、あと1時間残ってほしいと言いづらい」(現場のストレス)
社会保険料を抑えようとする工夫が、実は「目に見えない大きなコスト」を増やしている……そんな、穴の開いたバケツに水を注ぐようなジレンマを抱えている現場も少なくありません。
2026年、“雇い方”の舵を切った企業が勝つ。
多くの企業が、社会保険料を「避けられない税金のようなもの」と考えています。
しかし、これからの時代は違います。
たとえば、もうすぐ多くのパートタイマーが「これからどう働こう?」と悩み始めます。
その時に、「うちは社会保険を完備するから、その分フルで、プロとして助けてほしい」と舵を切ってみる。
中途半端に「壁」に悩む競合他社を横目に、「本当はもっとしっかり働いて、家計を支えたい優秀な人たち」とタッグを組むチャンスに変えることもできるはずです。

肝心なのは、自社のリソースに合わせた「法定福利費の最適化」
毎年のように変わるルールに振り回されるのではなく、制度を正しく理解し、自社のリソースに合わせた「法定福利費の最適化」を行うことが重要です。
そして今、求められているのは「これまでの当たり前」にとらわれない視点。
正社員・パート・派遣など、さまざまな形態がある中で、本当に自社に合った形はどこにあるのか。
コストだけでなく、業務効率や将来の組織づくりまで見据えて、一度立ち止まって見直すことが、これからの時代には欠かせません。
その決断ひとつで、数年後のキャッシュフローと組織の質は劇的に変わっていきます。
これを機に「これからの時代の雇い方」を、一度じっくり考えてみませんか?
💡おわりに
グロップジョイでは、人材派遣・アウトソーシングから外国人材の活用まで、企業の「人」と「現場」にまつわる課題解決を幅広くサポートしています。
「まずは資料だけ」「概算を知りたい」という方も、お気軽にご連絡ください。





